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延学 留学生の起こした問題の賛否


こんにちは、高校インターハイを前に…そして中学全中を前に、ぜひこの問題について一石を投じてほしいと言うコメントが舞い込んだ。高校バスケの留学生が起こした問題について、私独自の意見を述べてみようと思う。もちろん賛否が分かれる大きな問題なだけに、正しい意見と言うつもりはないことは大前提だ。

これは去る6月17日に開催された高校バスケ九州大会準決勝、宮崎の強豪校 延岡学園高校 vs 福岡大濠高校の終盤に起きた。試合は延岡学園高校が78-66でリードしていた試合終了40秒前、立て続けに3つのファウルをコールされたアフリカ人留学生選手が怒りを爆発させ、レフリーの顔面にストレートパンチを炸裂させた。この留学生はコンゴ共和国から今年の2月に来日したばかりの15歳だという。こうした外国人留学生受け入れは今の高校バスケでは当たり前で、別段特に珍しいわけでもない。むしろ昨年にはついに中学バスケ界にも外国人留学生が登場したことについては私のコラムでも「2017 全中終了!波乱の予選&決勝トーナメントと留学生起用の現実」として珍しい状況として紹介させてもらったばかりだ。


さてまずはじめに、外国人留学生受け入れの歴史について少し調べてみた。外国人留学生が高校バスケ界に登場したのは1990年代に遡る。2000年代には特にセネガル人留学生が頭角を現し、特に延岡学園高校に在籍していたママドゥ・ジェイ選手はアフリカ系留学生受け入れの先駆け的な存在で、こうした受け入れでの外国人留学生の獲得は九州地区の強豪校を始めとしのちに全国に広がっていった。余談だがこのママドゥ選手は卒業後、浜松大学(現常葉大学)を経て三菱ダイヤモンドドルフィンズ名古屋へ。2013年に日本国籍を取得し坂本ジェイに改名。2016-17シーズンには仙台89ersでプレイした。(浜松大学時代には昨シーズンまで三遠ネオフェニックスで活躍し、今年静岡に誕生したプロバスケチームに移籍した大石慎之介選手ともプレイしていた)その他にも延岡学園高校出身で現在もB.LEAGUEで活躍するアフリカ系外国人留学生には、ファイ・パプ月瑠選手(2018-19 大阪)やジャーラ・志多斗選手(2017-18 群馬)、ジェフ・バンバ選手(2017-18 川崎)らがいる。

そう、こうして活躍しているプロ選手たちをみるとアフリカ系の留学生と一括りにしてはいけない。勉強が好き、バスケが好き、日本が好きと三拍子揃った生徒は珍しいだろう。そうでなくても努力が出来る、我慢出来る、コミュニケーションが出来るといった生徒なら問題ないと思う。受け入れ条件として半ば人身売買的に連れてこられながらも、家族のために頑張ってバスケをしていたという生徒も本人言わずとも存在していたのだろうと推測できる。どんな生徒であっても、異国の地、異国の文化に立ち向かって頑張ってきた歴史がある。その歴史と努力は尊重していこうではないか。一方で今回も問題視されているのが、うまくいかない部分を持つ生徒をサポートできない学校の体制が一番問題なのかもしれない。特に今回も出ている外国語問題・フランス語問題だ。周りに片言の英語を話す人はいても、片言のフランス語を話せる人がいるだろうか。私の周りには残念ながら皆無だ。そんな状況の中、慣れない環境に身を置き、激しい練習にはを食いしばっているの現状では、15歳の少年のココロが折れる状況になっても致し方ないのかもしれない。今回の事件、少しかわいそうにも思えるのは私だけだろうか。

日本バスケではこれまで、少年時代には少し大きめであればインサイドに回され、センターやパワーフォワードの練習に徹してきた。リバウンド・スクリーンアウトはもちろん、ゴール下シュート中心の練習ばかりしてきた。結果、ドリブルの出来ない〝大きくない〟選手に成り下がってしまった可哀想な選手は少なくない。このような昔話よりはセンター・インサイドは外国人留学生に任せ、2番3番として中も外も上達してきた〝小さくない〟現プロバスケ選手のように育てば未来は明るい。これからも日本バスケ界のレベルアップに外国人留学生ビッグマンの存在が大きいことは誰しも理解できるのではないだろうか。更に今回のW杯予選、日本代表に加わったニック・ファジーカス選手の存在感は圧倒的で、これまで代表の大黒柱になっていた太田敦也選手(三遠)の出場時間が消えたことからも、日本人が無理してセンターポジションをやる必要がないことがわかる。太田選手の少年時代に彼よりも大きな外国人留学生がいて、パワーフォワードを要求されていれば、今回の八村選手(ゴンザガ大)や竹内選手(東京)の様に巧みなドリブルから鋭いドライブなんてことが出来たのかと少し夢を見てしまう。

逆に日本からアメリカを中心に海外に挑戦する高校・大学の選手たちはこのような問題は起きていないのだろうか。英語が間々ならず渡米して、バスケのプレイに集中する前に英語の壁に阻まれるという話はどうやら少なくはないようだ。但し、そこは日本人のお育ちの良さなのか大きな問題が浮上してきてはいない。またアフリカ系留学生はバスケ発展途上の日本にサイズと身体能力を売りに、ある意味〝お金を貰って〟雇われてきているのに対し、日本人留学生は自分の実力を高めるために〝お金を払って〟海を渡っている。お金のある家庭が全て育ちのいいこどもが育つ環境とは言わないが、概ねそれなりの高等教育を受けている分、世界常識を備えてるのであろう。しかし、そのお育ちの良さがハングリーさを弱め、バスケには不向きなメンタルを生み出しているという皮肉な部分も持ち合わせている。しかし意を決して海を渡るものは、バスケだけではない何かを勝ち得て人生を進んでいくのだろう。


話を戻すが、こうして約30年近く続いてきた外国人受け入れの歴史の中には、もちろん日本の文化に馴染めず帰国をした生徒や、中には暴力事件を起こし退学になって帰国した生徒もいるという。今回の事件はもちろん良くないことだが、問題が必要以上に大きくなってはいないだろうか。その原因はやはりスマホの普及&カメラ性能の向上、そしてSNSの拡散力とその動画を利用するマスメディアの存在。そして多数出てくるネット上・匿名の「正義の味方」。この存在はこの事件を起こしてしまった外国人留学生やその周辺の関係者が、本人の身の危険を感じるまでの追い込みをかけて達成感や充実感を味わっている。
今回早々に報じられた殴られたレフリーの寛大なコメント「せっかく日本に来たんだから、日本を嫌いにならないでほしい。将来もあるし、バスケットボールを続けてほしい」は私の心を打った。しかしそんな大和魂的な日本人の心も、降って湧いて出た「正義の味方」には届かなかったらしい。似たような問題で監督・コーチの愛の鉄拳、情の入った比喩的な暴言などは部分的に効果的に切り取られ、全てダメなものとして定義づけられたのも一部「正義の味方」の存在。古き良き時代の教えは薄れ、「正義の味方」にソワソワ・ドキドキしながら生徒の将来を考えず、身を守る監督コーチたちが増えてきていると感じる。私は私自身が愛のある暴力賛成論者なので昭和の名監督たちが減らないことを祈って止まない。そして現在滞在している外国人留学生がこのニュースで心を痛めない様に、また少しでもサポート環境が整うように祈っている。全ては日本のバスケットボール界の発展はもちろん、我々のこども達の未来が明るくなれば良いのではないか。

次回は連続の番外編・男子日本代表に光がみえたか?!ワールドカップ予選の結果について、できる限り早い段階で一石を投じようと思う。

私&子供達のプロフィールは下記に掲載!

子供のバスケに向き合う…父の一石スタート

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